【新宿母子不明事件】遺棄女性、失踪時には逮捕の男と交際終了か 金銭トラブルの有無を捜査

相模原市の墓地で職業不詳、阿部由香利さん＝当時（２５）＝の遺体が見つかった事件で、阿部さんが行方不明になった平成２５年夏ごろには、佐藤一麿（かずまろ）容疑者（２９）＝死体遺棄容疑で逮捕＝との交際が終了していたとみられることが２８日、捜査関係者への取材で分かった。阿部さんは失踪前に親族に借金を依頼。警視庁捜査１課は、阿部さんと佐藤容疑者の間に交際や金銭をめぐるトラブルがなかったか詳しい経緯を調べている。

捜査関係者によると、佐藤容疑者と阿部さんの交際は、１９〜２０年ごろに始まったとみられる。阿部さんの遺体が遺棄された２５年７月には、佐藤容疑者は秋山智咲容疑者（２３）＝同＝と交際、既に阿部さんとの交際は終了していたとみられるという。

行方の分かっていない阿部さんの長男＝阿部さんの失踪当時（７）＝が最後に生存を確認されているのは１９年９月。この時期は、佐藤容疑者と阿部さんの交際開始時期に近く、捜査１課は長男がいつ頃からいなくなっているのか、佐藤容疑者が何らかの事情を知っている可能性もあるとみている。

一方、失踪前の２４年１２月には、阿部さんから東京都青梅市内に住む母親に「お金を貸してほしい」と電話があり、母親が断っていたことが分かっている。捜査１課は阿部さんが金銭に困っていたか、何者かに要求された可能性もあるとみて、交際だけでなく金銭絡みでも問題がなかったかトラブルの有無を捜査する。