2015年11月16日

山口組「直参」惨殺 分裂騒動背景か 手足縛られ頭から出血…現場には鉄パイプ

指定暴力団山口組の直系団体で、三重県四日市市に本拠を置く「愛桜(あいおう)会」の菱田達之会長(59)が15日、別宅として使用していた四日市市浜田町のビルで、頭から血を流して死亡しているのが見つかった。菱田会長は手足を縛られたうえ、頭に複数回殴られた痕跡があり、現場には鉄パイプも残されていたという。三重県警は殺人事件として捜査。神戸山口組との分裂騒動が背景にある可能性もあるとみて調べている。

県警によると、菱田会長は「直参(じきさん)」と呼ばれる山口組直系組長。15日午後5時40分ごろ、菱田会長の妻(58)が組員ら3人と別宅を訪れ、1階玄関付近で頭から血を流しているのを見つけ、119番。搬送先の病院で死亡が確認された。

菱田会長は頭に殴られたような跡が複数あり、顔や腕も一部変色し、発見当時は結束バンドで手足を縛られていたという。現場に残されていた鉄パイプが凶器の可能性もあり、県警は16日に司法解剖して詳しい死因を調べる。

組員が15日昼ごろに菱田会長を車で別宅に送り届けていた。午後4時に迎えに行く約束になっていたが、菱田会長と連絡が取れなくなったため、妻らに相談した。

妻は組員ら3人で合鍵を持って訪れたが、1階玄関はドアチェーンがかかっているため入れず、玄関ガラスを割ってチェーンを外した。2階の窓ガラスが割れ、1階裏口は鍵がかかっていなかったという。

別宅は近鉄四日市駅南東数百メートルの住宅地の一角にある4階建てビルで、愛桜会本部事務所は西約500メートルの場所にある。愛桜会は三重県内の地元暴力団だったが、1990年、山口組の直系団体となり、菱田会長は2005年、先代会長の引退に伴い、組織を継承していた。組員は約20人。

三重県に隣接する奈良県では、山口組直系団体「倉本組」の組長(52)が、傘下組員らの間で神戸山口組に接近する動きが起き、組織を統率できなかったとして山口組から除籍処分を受け、10月26日に大阪市内の事務所で拳銃自殺していた。

捜査関係者は「倉本組の組長が除籍処分を受けた際、三重県内にある倉本組の一部傘下組織の受け入れ先として、愛桜会の名が挙がっていた。組内部で分裂騒動をめぐりトラブルが生じていたとの情報は入っていないが、分裂騒動が事件の背景にある可能性もあり、情報収集を進めている」と話している。
posted by いまどき at 22:19| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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